midnightシアター〈2〉強烈JINJI
お日様の明るいうちには観ようとは思えない、思わない、あえて好まないものを観た土曜の夜。
2作目は『彼女がその名を知らない鳥たち』
いやー。モーネ。クズっぷりにあっぱれです。
とにかくね、阿部サダヲさん演じるJINJI(陣ニ)がね、強烈だった!!!
いい意味で気持ち悪いんよ。ほんまに。
役者冥利につきる褒めコトバです!
不快指数が見事なまでに、ぐんぐん上がってきて期待通り(笑)
自分が何もされていないのに、こんなに嫌悪感を感じるって、お手上げです(笑)
私、阿部サダヲさんは好きな俳優さんなんですけど 役柄とわかっていても途中、拒否反応起こしそうな位、素晴らしい演じっぷりでした。
この映画、ほんまめっちゃ深い。
それぞれの愛し方愛の形、視えてる世界と視えてない世界感が。
裏と表。光と闇。真実と嘘。
これらすべてが紙一重のような感覚に陥る。
そう、なんて言うのかな。時々 紙で指先切ったような心の痛みに襲われる。
グサッっていう痛さじゃなくてね。
繊細な痛み。そんな感じ。
想像豊かにお願いします(笑)
視えてる部分なんて、その人の本質のほんの数パーセントな訳で。
視えてる所が全てやとは思ってないけど、でも視えてるものが現実やと思ってしまうし、視えてるものを信じてしまうけど、でも本当は視えない部分にこそ 大切なモノが隠れていて。
そこに、その人の “本質” がある。
そこに目を向けようとしたら 好きになるし
そこに目を背けたら 交わりあえない。
表面なんて、いくらでも取り繕える。
いい人ぶれる。
人間って生き物がいかに、視えてるものに意識してなくても左右されてるのか痛感。。。
そして何より この映画の醍醐味はJINJIへの嫌悪感から一気に切り替わる心の変動。
彼の曲がった卑屈な歪んでるけど、彼なりの愛し方を知った時。切なすぎた。
本当の愛とは何?
自分を犠牲にして大切な人の為に何かしようとしてくれる気持ちは嬉しいかもしれんけど、それは大きな自己満足。
自分の命に変えても相手を守る愛し方。
そんなの全然かっこよくない。
格好悪くたっていいんだよ。
本当に愛してるなら共に最後まで生き抜く選択をしてほしい。諦めないで欲しい。
ラストシーン、JINJIは十和子にお前は生きてくれ、腹の中に入るから俺を産んでくれ。
その為に俺はこうするんやからと高台から飛び降ります。
……… そんなん、ズルいよね。
何があろうと、どんなに辛くても、一緒に生きたい。死んだら終わり。
自分を犠牲にして何かを与えられる事よりも
いい事も悪い事も 分かち合って生きたい。
Happy Endではなかったけど、このなんとなく後味残る不味さが不思議と嫌いじゃないなと思ったのでした。
そして オマケ。この方十和子のお姉さん役で出てる赤澤ムックさん。
いかにも世の中の普通を表現したような役だったけど幸せには見えなかったな。
そして、1つ前のブログで書いた『愛の渦』に出てたこの方も、赤澤ムックさん!!!
同一人物に見えます???すごい七変化。
でも演者さんだけでなく、日常生活の中で誰もがどちらの顔を表にするか、裏にするかだけの事かもしれない。。。
コロナのおかげでドライビングシアターが復活してるらしいね。懐かしいなー。
また行きたいなー。
一緒に行きますか??笑。